5.1. 1次元 Schrödinger 方程式の固有値問題

 量子力学の基本方程式である,Schrödinger 方程式を数値的に解く方法について試みる. 試みるというのは,Schrödinger 方程式を解く方法は多く,何を使えば最適なのか著者がよくわかっていなからである. 本節では簡単な方法論を用いているが、興味のある方は参考文献をあげているので参照して欲しい.

 まず,一次元のSchrödinger 方程式

\[i \hbar \frac{\partial}{\partial t} | \Psi\rangle = \hat{H}| \Psi\rangle\]

について考える.ここでHamiltonianは時間に依存しない

\[\hat{H} = \frac{\hat{p}^2}{2} + V(\hat{q})\]

で与えらる場合の,固有値問題

\[\hat{H} |\phi_n \rangle = E_n | \phi_n \rangle\]

を数値的に解くことを試みる.もし固有関数 \(\{| \psi_n \rangle\}\) が完全性

\[\sum_n | \psi_n\rangle\! \langle \psi_n | = \mbox{1}\hspace{-0.25em}\mbox{l}\]

を満たすほど精度よく求まるならば, 一次元Schrödinger 方程式の解は

\[|\Psi(t)\rangle = \sum_n^{\infty} e^{-\frac{i}{\hbar}E_n t} |\phi_n\rangle \langle \phi_n | \Psi(0) \rangle\]

として明示的に時間発展を解く必要はない.

ノート

(私見) \(V(x)=x^2\) の様にポテンシャルに束縛された系を考えると、一般的に無限次元のHilbert 空間を扱わなければない. もちろん数値的に無限次元を取り扱うことはできないので,有限次元の部分空間に射影(打ち切り)しなければならず, 有限次元で求めた \(\{| \psi_n \rangle\}\) は一般に完全性をなさないであろう. ゆえに,Hが時間に依存しない場合であっても,時間発展と固有値問題は個別に扱う方が良いであろう.

参考:

[1]David J. Tannor, 入門 量子ダイナミクス, 化学同人 (2011) Chap. 11
[2]H. J. Korsch, H. J. and M. Glück, Euro. J. Phys, 23 (2002) 413

課題

  1. Resonance
  2. Complex scaling
  3. Floquet system (Periodically deriven system)
  4. Coulomb potential